K@はぐれ医師の徒然日記

書評や日々の出来事など

書評 嫌われる勇気

タイトルはキャッチーですが、非常に納得感のある内容でした。

嫌われる勇気とは、嫌われることを恐れず横暴に振る舞えという意味ではありません。
自分の人生を生きるためには他者との軋轢が避けられないこともあるという意味です。
私たちは他者の期待に応えるためや承認を得るために生きているわけではありません。

ではアドラーはひとりで自由に生きることを推奨しているのでしょうか?
それは違います。ひとりの人間として自立し、社会と調和することを目標としています。
自分の生き方を大事にする一方で、共同体感覚(他者を信頼し仲間であるとみなす)を身に着け、他者貢献をすることが幸福の秘訣だと言います。

人生は他者との競争ではないし、人間に上下はない。横のつながりを作り対等な人間関係を形成する。狭いコミュニティーの中で上手くいかなくても、より広い共同体にでればコップの中の嵐はそよ風に変わる。

過去も未来もない。「いま、ここ」に強烈にスポットライトを当て生きることによって刹那を積み重ねていく=エネルゲイア的な生き方こそが人生であるという考えは、仏教や「Dark-Horse・トッドローズ著」で言及されている充足感にも共通する部分があると感じました。

人生は今この瞬間から変えていける。誰もが幸福になることができる。他者は敵ではなく、貢献する価値のある仲間であると考えを変えることができ、息苦しい人生から救われました。